2002年6月11日の溶岩


1983年以降,キラウエア火山では,イーストリフトゾーンからマグマが噴出し続けている。これらの新しい溶岩は,キラウエア・カルデラから南の海岸まで続く道路「Chain of Craters Road」の終点においてその一端を見ることができる。また,この道路の途中に沿っては,1983年以前にイーストリフトゾーンから噴出した広大な溶岩の風景,パホエホエ溶岩やアア溶岩の見事な産状などを見ることができる。

 2002年5月において新しい溶岩が2カ所から顔をだした(溶岩の分布図-USGS,HVO)。その1つ(Mother's day flowと呼称されている)は1983年以降の噴火で生じた溶岩分布の西縁に流れ出し,森の中へ突入して山火事がおこっている。そこは「Chain of Craters Road」寄りであり,山火事の危険があるからということで,「Chain of Craters Road」終点までの通行は途中までしか許可されていない。しかし,2002年6月11日の時点において,午後6時からは終点までの通行が許可されて,たくさんの観光客が,新しい溶岩を見るために「Chain of Craters Road」終点まで車で駆けつけていた。(2002/June)

 7月19日には新しい生きた溶岩は海に達した。日々,溶岩の流動状況は変化している。それはまるで生き物のよう。現在の溶岩の分布状況などはハワイ火山観測所のホームページ Current update of the eruption of Kilauea Volcanoを参照してください。


 ハワイ火山国立公園ビジターセンター内では,キラウエア火山の最新の火山情報を流している。2002年6月11日の時点では,Chain of Craters Roadは,日中はマウナウル駐車場までしかオープンしていない。しかし午後6時から全面開通になる。
 「溶岩が流れている様子を遠くから見ることができるかな」という気持ちで,「Chain of Craters Road」終点まで駆けつけた。しかしちょっと遅れてしまったようだ。煙があがっているぞ。数10台もの車がすでに道路の一端に列をなして駐車していた。そして,なんと赤い溶岩が見えるではないか。はやる気持ち。急ぎ足。はやくたどり着きたい。
 崖を流れ下る赤い生きた溶岩がはっきりと見えた。1992-1997年溶岩の上を歩いていく。黄色い標識がパークレンジャーによって設置されていた。もうあたりはうす暗い。この標識が道しるべとなる。
 「生きた」溶岩を間近で見られる。
 30分ほど歩いて,指定された溶岩観察ポイントまでたどりつく。何と,生きた」溶岩はすぐ目の前に迫っていた。
 もう暗くなってしまった。レンジャーの話では,昨日までは溶岩は崖の上にあったらしい。すると今日になって崖の下の平坦な面に流れ広がったことになる。
 溶岩最先端が移動する速度は非常に遅いが,内部からマグマが出てきて,確実に溶岩は前進し広がっている。
 崖から流れ下る溶岩を観察する。夜中まで見物人が絶えることはない。
 縄状に冷えた表面の横からぷーっと膨らむようにマグマが出てくる。この場合は表面は平滑で縄模様にはならない。
 「生きた」溶岩の先端。
 一度出口を見いだすと,ゆるやかに内部からマグマが押し出されてくる。その場合は流れる面が傾斜があると,先に冷えた表面が流動によって縄模様になる。
 背後は崖(パリウリ崖)を流れ下る溶岩,手前は海岸に至る平坦な面を流れ広がる溶岩。
 「生きた」溶岩の先端部分で,右手はすでに固結した溶岩で10数cm高くなっている。その境界部分で,「生きた」溶岩の割れ目からマグマが膨らむように出てきた。

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