はじめに

 理科は実験や観察・野外実習などの専門的能力を教師の資質としてより必要とする分野である。このため現場にいる教員は実験・観察技術の向上のために自ら研鑽を積まねばならない。このような教員に対し,理科の教員を養成する使命にある教育大学が,これらのニーズに合わせて独自のプログラムに基づく理科研修を行うことによって小中学校の理科教育に大きな役割を果たし,支援できることが期待される。同時に現職教員との連携・交流によって,我々大学教員もカリキュラム改善や学生の教員養成にその成果をフィードバックできる。

 この目的のために我々は平成17年度から旭川校・理科スキルアップ研修プロジェクト・グループを立ち上げた。具体的な活動目標として,(1)理科に関するアンケート調査を市内小中学校教員に行い,附属学校の理科教員と協力しながら現職教員の理科授業の実態や大学研修へのニーズを分析し,理科教育および各専門分野での研修内容を検討する,(2)理科の研修プログラムで用いる教材を開発し,理科研修ガイドブックの編纂を行う,(3)大学における理科研修のあり方を研究するとともに大学主催の理科研修会を実施していくこととした。

 平成17年度に「現職教員のためのスキルアップ研修プロジェクト」,平成18年度は「現職教員のための理科スキルアップ研修プログラム開発に関する研究」を申請し,北海道教育大学の学術研究推進プロジェクトによる研究に採択された。本研究報告は,これら2年間の研究成果をまとめたものであるとともに「理科研修ガイドブック初版」としての役割を合わせ持つものである。

 理科教育および各専門分野において,今年度も上記の研究課題を引き続き行った。さらに,2006年10月14日(土)に日本教育大学協会研究集会(千葉大学教育学部講義棟)の第2分科会「大学が行う現職教員研修と地域貢献」において研究発表を行った。この発表要旨とスライド原稿(抜粋)を巻末に掲載した。また今年度は理科研修会を2回に分けて実施した。第1回目は2006年9月30日(土)に地学研修「大雪山・旭岳の火山活動を知る-火山地質巡検-」を行い, 4名が参加した。第2回目は物理・化学の研修会を2007年1月16日(火)に「音と波動」および「五感で感じる化学変化」をテーマとして実施し,18名が参加した。

 今年度はさらに旭川市内中学校・小学校の教員でつくる理科実験サークル「ネットワークはてな2000」との交流がもてたことは非常に意義深いものであった。毎月1回行われる例会では,工夫された教材が披露され,実験の改良点などが議論される。旭川校を会場にした例会も行われた。我々を快く会員に迎えてくださった山川俊巳代表をはじめ,サークルの先生に感謝する次第である。
 本プロジェクトでは来年度以降も引き続き研究会や理科研修が行われる。改善点もいくつかあるが,
本成果をふまえてさらに充実させていきたいと思う。

旭川校・理科スキルアップ研修プロジェクト・グループ
平成18年度(2006年度)代表・和田 恵治