春の地質巡検
「十勝岳 生きた火山の息吹を感じる」
2002.5.3(金)



今年は雪解けも早い。春の陽気に誘われて,活火山・十勝岳を訪ねることにする。

 
 望岳台から見た十勝岳全景。噴気があがっているのが62-火口。その写真右の高まりをつくっている山は前十勝。その写真左に広い谷が手前にのびているのがわかる。そこでは過去3000年あまりの噴火によって流れの噴出物(火砕流・溶岩・泥流など)が堆積したところだ。
 写真手前のごつごつした噴出物は2200年前の火砕流堆積物。

  まだ傾斜のゆるい登山道を歩く。左手(北東)には植生のない黒々とした新鮮な溶岩(ガサガサした表面形態をもつアア溶岩)がみえる。焼山溶岩と呼ばれる。その遠方には旭岳をはじめとした大雪山の山々がはっきりと見える。

 雪の上を歩く。傾斜がゆるいので歩きやすい。黄砂で雪が汚れている。

 避難小屋までたどりつく。噴気がもくもくと湧いているのが見える。

   
 左手の崖に溶岩が露出する。幅の広い柱状節理が発達した褐色の溶岩とその下位の板状節理が発達した溶岩がその地形をつくる。そしてこの崖の急斜面を手前に流れ下ってきて固まったやに見える黒っぽい溶岩がみられる。この薄い溶岩は崖の上部,両側に追跡できる。
 崖をつくる褐色の溶岩は,3000年前以前の十勝岳火山本体をつくっていた溶岩であろう。崖を流れ下ってきた薄い溶岩は,3000年前以降の新しい溶岩であろう。

 中央火口丘・丸山の斜面をのぼっていく。この急斜面の登りはつらい。雪がしまっていてすべりやすい。ガレ場のほうが登りやすい。岩石のかけらは黒っぽく,発泡したものと緻密なものがみられる。

 振りかえると,避難小屋ももはやこんなに小さく見える。そして眼下に広大な風景が。十勝岳連峰ができるはるか昔に(130-200万年前),巨大噴火がおこり大規模な火砕流が流れ下った。それらは富良野や美瑛,旭川に広大な火砕流台地をつくった。
 登りはきつい。しかしこの先には火口があるはず。

 登る右手には62-火口からあがる噴気がみえる。手前は大正火口。

<この続きを見る>