意見をどのように構成するか

「記事の構想」の取り扱いについて

アウトラインの構成をとらえる

【アウトライン例】



iPodのよさ

音楽とデータの両方を携帯できる。

だからいつも持ち歩いている。

それによって音楽を聴く時間が増えた。

私にとって音楽とは何だろう?


音楽の効果

音楽は心情や雰囲気を演出する効果がある。

映画のBGM

酒場で流れる演歌

懐メロを聴くと心に浮かぶ思い出

携帯電話との
類似性

携帯電話でも着歌・着メロが流行っている。

その人の個性が,曲の選択に表われている。



まとめ

このようにiPodを携帯する生活は,自分で自分の生活を演出しているのだ。

でもヘッドフォンをつけて自分だけの世界を楽しむ姿は,少しさみしいかもしれない。

三段構成

四段構成

意見の論理性を支える要素

主張

ある議論の結論となる要素

事実

ある主張の根拠となるデータ・事実

理由づけ

なぜ,その根拠によってある主張ができるかを説明する要素

裏づけ

理由づけが正当なものであることを支える要素

限定

理由づけの確かさの程度を表す要素
(「たぶん」「きっと」「らしい」「であろう」など)

反証

「~でない限りは」という条件を表す要素

中村敦雄(1993)『日常言語の論理とレトリック』教育出版センターによる

【例1】

主張

音楽は心情や雰囲気を演出する効果がある。

裏づけ

この関係の密接さが,一般的に認められることを示すデータ

理由づけ

どの事例も音楽と心情・雰囲気とが密接に関係しているから

事実

映画のBGM
酒場で流れる演歌
懐メロを聴くと心に浮かぶ思い出

【例2】

根拠1

音楽は心情や雰囲気を演出する効果がある。

根拠2

その人の個性が,着歌・着メロの選択に表われている。

理由づけ

音楽には,人の生活を演出する効果があるものだ(←根拠1)
演出する音楽を自分で選択することができる(←根拠2)
iPodは,これらを同時に満たすから(←はじめ)

主張

iPodを携帯する生活は,自分で自分の生活を演出しているのだ。

文章の構成と論理の展開

問題となる背景

予想される反論

論破

主張

根拠

サポート材料

結論

牧野由香里(2004)「論理構築力とメディア活用能力の分析に基づくグループ学習の効果」『日本教育工学会論文誌』28-2

論理の系列I:論証の中核

主張

根拠

サポート材料

【例】

主張

音楽は心情や雰囲気を演出する効果がある。

理由づけ

どの事例も音楽と心情・雰囲気とが密接に関係しているから

事実

映画のBGM
酒場で流れる演歌
懐メロを聴くと心に浮かぶ思い出

論理の系列II:主張の価値づけ

問題となる背景

主張

結論

【例】

問題となる背景

誰でも日常を平凡だと感じることがあるはずだ。

主張

iPodを携帯する生活は,自分で自分の生活を演出しているのだ。

結論

自分の生活は,自分ですばらしいものに演出すべきなのだ。

論理の系列III:主張の強化

予想される反論

論破

主張

【例】

主張

iPodを携帯する生活は,自分で自分の生活を演出しているのだ。

論破

iPodを携帯する生活が,孤独に閉じこもる生活にはならないことを説明する。

予想される反論

ヘッドフォンをつけて自分だけの世界を楽しむ姿は,少しさみしいかもしれない。